ルポvol.65 【不登校】
「学校に行かない」と子が宣言。「なぜ?」と、うろたえない親はいない。「行きなさい!」と、つい声を荒げてしまう…不登校のわが子とのバトルな日々を、率直に語る佐藤裕子さん。同じ立場の親御さんたちの顔に、共感と嘆息と笑顔が次々浮かぶ。
足立区で、「不登校を話し合う場」が続々誕生
5月18日、足立区NPO活動支援センター会議室(足立区梅田)で行われた「不登校進路未来講座」。不登校児を抱える保護者が集い、課題や対応を共有していこうという会である。主催者の小宮ひさえさん(ルポvol.66にて掲載予定)に誘われ参加した際、佐藤さんに出会った。ご自身も、5日前の5月13日、「あやセンターぐるぐる」(足立区綾瀬)にて、「不登校・行き渋りっ子のママ達のおしゃべり会」を主催したばかり。
そのチラシのプロフィールには、こう書かれている。「中3、中2、小2のママ。中3息子が、小学生の時にコロナ禍に。そして不登校、引きこもり、ゲーム依存、家族関係悪化…そこからどう回復し、家族関係が良くなっていったか、エッセンスをお届け♡」。冒頭のお話と合わせて、深堀りしてうかがいたくなり、インタビューを申し入れると快諾してくださった。
当事者のママたちの活動力・連携力がすごい
これまで、足立区内で活動する不登校児の支援者を、何人か取材させていただいた。気が付くのは、中心人物が、当事者のお母さんであることが多いこと。わが子が学校に行かないことに戸惑い、行かせようとして挫折するも、そこで終わらない。子育ての葛藤や、家庭内の問題、学校への対応など、さまざまなことに向き合って、「不登校」問題に取り組んでいく。驚くのは、その行動力だ。子どもたちの学習環境や居場所を、家庭内外で自前で整える。同じ悩みを抱えるママとネットワークをつくる。さらに、支援団体を立上げ、自身が得たノウハウを社会に還元していく。就業経験がある、また就業中の社会人ゆえに、情報収集、組織運営や広報に長けている。家庭と社会をつなぐ能力があるのだ。一番は、家庭人として、わが子という子どもの視点に立ち、「不登校」をとらえること。だから、業界や専門家の硬直した既成概念がない。佐藤さんも、そんな「不登校ママのキーパーソン」のお1人である。
「学校を変える」より、もっと大事なこと
本ブログでは、ここ半年、不登校問題に対して、「学校を変えるには、どうすれば?」という設問にこだわってみた。しかし佐藤さんは、「私、学校を変えようというよりは、親、回りの環境を変えることが大事かなって」と。「ああ、なるほど…」と思ってしまう。「学校・教育体制の変革を」とやると、政策や組織の話になるから物事が進まない。子どもたちが本当に求める「学びの場」「育ちの場」の在り方を知り、直接的に変える力があるのは、わが子へ直に寄り添うママかもしれない。でも、もっと重要なのは、「学校」でも「不登校」でもなく、親が「子どもを信じること」につきるのかなとも。以下のインタビューをまとめ上げた今、改めてそう思う。
(佐藤裕子さんのインタビューは、2025年6月5日、綾瀬駅前のレストランにて行った)


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